コラム
№105 「副業解禁」などと言われていますが・・・?
カテゴリー:勝手に経営診断
2018年05月23日 2時05分
かつては、副業といったら、会社は禁止するものでした。
就業規則には「会社の許可のない他社への就職、副業はこれを禁止する」なんて記載したものです。
しかし、「働き方改革実行計画」により、いまや政府が副業・兼業を普及促進する方向となり、
副業・兼業の推進に向けたガイドラインや改訂版モデル就業規則の策定を行うなど、大きく変わってきており、
「副業解禁」を実施する企業も出てきています。
今年1月に改訂された厚生労働省のモデル就業規則を見ますと、会社に対し事前に所定の届け出を行えば、
「労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる」としています。ただし、
①労務提供上の支障がある場合
②企業秘密が漏洩する場合
③会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合
④競業により、企業の利益を害する場合
には、会社は副業・兼業を禁止または制限できるとして、一定の歯止めをかけています。
①の「労務提供上の支障がある場合」には、副業や兼業が原因で自社の業務が十分に行えない場合や、
長時間労働など労働者の健康に影響が生じるおそれがある場合が含まれるとされています。
例えば、仕事中にめまいがして倒れた際にケガをしたというとき、その原因の一つが、
副業が重なっての長時間労働によるものだなどという場合にまで何かしら責任を負うことになるのか、
などということがあるかもしれません。
副業・兼業が長時間労働を招くものとなっていないか等を確認するためにも、
所定の届け出を行うよう、このモデル規定では求めています。
また、ダブルワークにおける時間外割増の計算など社労士が交通整理をしなければならない場面も
増えてくることでしょう。
※副業・兼業もさることながら、賃金や労働時間などをめぐって就業規則等を見直す会社が増えています。
職場のトラブルを未然に防止するためにも、Q&Aでわかりやすく解説した以下の本を参照するとよいでしょう。
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